資産形成してますか?
皆さんは資産形成に取り組んでいますか?自分は細々とですが、NISAやiDeCoを活用して資産形成を進めています。
最近、ニュースでよく耳にするのが「年金生活が苦しい」「老後資金は○○万円必要」といった話題です。これらを聞くたびに、自分の老後について考えるのはもちろんですが、現役世代が現在の年金生活世帯を支えることの限界についても考えざるを得ません。
NISAの登場でFIREを目指す人も増えましたが、平均年収程度のサラリーマンからすると、60歳で普通に定年退職することを目標にするほうが現実的だと感じています。
現在の年金生活者に思うこと
端的に言うと、「なぜ、なんの準備もしていなかった世代を現役世代が支えなければならないのか」という疑問を抱いています。
現在、年金受給年齢は65歳です。仮に「年金生活が苦しい」と嘆く高齢者の方を70歳と仮定すると、その方々は1955年生まれで、新卒時期は1970年代後半にあたります。1970年代後半といえば、日本経済が活況を呈していた時代です。株式投資や資産形成を始める選択肢は、当時も十分にあったはずです。
さらに、1990年には「1.57ショック」と呼ばれる少子化問題が社会に認識され始めました。この時点で35歳前後だった世代にとっても、老後の社会保障が厳しくなる可能性を見越して対策を取る時間は残されていたのではないかと思います。そのため、なぜその当時になんの準備もしてこなかった世代が裕福に暮らせるように、現役世代が身を削る必要があるのか、違和感を覚えるのです。
少子化による労働人口の減少で、現役世代が高齢者を支える社会保障制度の維持はますます困難になっています。将来的な年金の減額や制度の見直しが避けられない中、自分たちがさらに負担を背負うことには疑問を感じます。
60歳定年を目指して
自分はFIREのような早期退職を目指すつもりはありません。現実的ではないと感じるからです。自分は日本の平均的なサラリーマンで、年収は400万円を少し超える程度。ボーナスを含めても、月の手取りは20万円前後です。
FIREを目指す場合、必要な資産額は一般的に3000万~5000万円と言われています。仮に5000万円の資産を築いたとして、年間4%のルールで切り崩すと200万円程度の生活費が得られる計算になります。
しかし、FIREを40歳や50歳で実現するには、相当な額を積み立てる必要があります。例えば、想定リターンを8%、リスクを18%と仮定すると、
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40歳でFIREを目指す場合、月約28万円の投資が必要
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50歳でFIREを目指す場合、月約8万8000円の投資が必要
手取り20万円程度の人間が、これほどの額を投資に回すのは現実的ではありません。実際に積み立てられる額は月3万円~5万円が限界でしょう。
仮に月3万円を30年間積み立てた場合、上記のリスクリターンを考慮しても約4000万円の資産を形成することは可能です。これをもって、60歳での定年を目指すのが自分にとって現実的な選択肢かなと思ってます。
まとめ
FIREは一見魅力的ですが、現実的ではないと感じる方も多いでしょう。一方で、普通に定年退職を迎えるための計画を立てることは、誰にとっても重要です。資産形成は早く始めるほど有利ですが、遅く始めても無駄ではありません。
現状を冷静に見つめ、少しずつ着実に準備を進めていく。それが、将来の自分を助ける一番の方法だと思います。
ありがとうございました。